特別号
青い鳥の行方
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私たちは何のために生きているのか?
古典の中でも最もよく読まれている歎異抄には
それは
ガチっとおさめとられて絶対に捨てられない幸せ
摂取不捨の利益(絶対の幸福)になることだ
と断言されています。
★私たちは何のために生きているのでしょう。
一言でいえば、それは、幸せになるためです。
私たちは幸せを追い求めて日々生きています。
ですが、その幸せの青い鳥は手に入ったでしょうか?
★メーテルリンクの青い鳥★
貧しい、きこりの家の兄妹チルチルとミチルがクリスマス前夜に
魔法使いの老婆から病気の娘を直すため
「青い鳥」を探してくれと頼まれ、夢の世界に入ります。
「思い出の国」「夜の御殿」「森」「未来の国」を巡り、
それぞれの国で青い鳥を手に入れるのですが、捕まえたと思ったとたん
全く違う色の鳥になっているのです。
ああ、青い鳥は結局見つからないんだと落胆の中に家に帰ると
自分たちの飼っているキジハトが青く見えるのに気づきます。
「ああ幸せは探し求めるものではなくて身近なところにあるんだ。」
というメッセージとして多くの人に知られています。
▼ここまでが「童話版」の青い鳥。
しかしもともと舞台用に書かれた原作の「青い鳥」には、続きがあったのです。
隣の老婆の病気の娘に青い鳥を与えると病気が直ったのですが
その後、ちょっとしたことで青い鳥は鳥かごから逃げてしまったのです。
必死に追いかけるチルチルは舞台から観客席に飛び出して、観客に懇願します。
「だれか、だれか、青い鳥をみつけたら教えて下さい。 青い鳥は私達に必要なんですから」
そして幕が閉じていきます。
▼この顛末について、直木賞作家で有名な五木寛之は「青い鳥の行方」という本の中に、次のようなことを述べ
ています。
「だれもが知っているはずの『青い鳥』の物語。それは幸福の象徴、夢のシンボル。
しかしメーテルリンクの原作は実はおそろしくシビアで残酷な物語だった。
みつけたと思うと逃げてしまう『青い鳥』、永久につかまらない『青い鳥』。
現代の『青い鳥』はどこにいるのだろう」

★銀河鉄道999の主題歌も「青い鳥」がモチーフになっています。
汽車は闇を抜けて 光りの海へ
夢が散らばる 無限の宇宙さ
星の架け橋 渡って行こう
人はだれでも 幸せ探す
旅人のようなもの
希望の星に 巡り会うまで
歩き続けるだろう
きっといつかは 君も出会うさ
青い小鳥に
★私たちの「きっといつか」とはいつなんでしょうか?
★親鸞聖人は、
弥陀の誓願不思議に助けられまいらせて・・・
摂取不捨の利益にあづけしめたもうなり
弥陀の誓願に救われた親鸞、今、摂取不捨の利益(絶対の幸福)の身に
なりました。
と人生の目的をはたされた喜びを告白されています。
本当の幸せ、絶対に捨てられない幸せってなんでしょうか?
その答えが、仏教の中に教えられています。
▲読み方
歎異抄;たんにしょう
弥陀の誓願:みだのせいがん
摂取不捨の利益:せっしゅふしゃのりやく