仏教の教え人間の実相
★人間の実相★
藤ツルにぶら下がって何とか九死に一生を得た旅人でしたが、
足元には三匹の毒龍が落ちてくるのを待ち構えていました。
必死に藤ツルにしがみつく旅人
しかし、虎よりも龍よりも
もっと恐ろしいものを発見します。
ネズミが藤蔓をかじっている!
白と黒の二匹のネズミが、
命の綱を代わる代わる、
ガリガリ、ガリガリとかじり続けていたのです。
半狂乱になって
ツルを激しく揺さぶっても、
動こうとしない。旅人の顔は青ざめ、歯はガタガタと震えた。
ところが
その恐怖は続きませんでした。
この木に巣を作っていた蜜蜂が、甘い蜜の滴りを、彼の口に落としたからである。
「ああ、おいしい。もっとなめたい……」
旅人は蜜に酔いしれた。虎も深海も毒竜も、忘れてしまい
藤蔓がネズミに噛み切られようとしていることも、すべて忘却のかなた。
陶然と、蜂蜜に心を奪われてしまったのである。
その様子は掛け軸となっています。
掛け軸やさんでも置いてありますが
残念ながら教えを解説しているものは
ないようです

お釈迦様がここまで話をされると、
「おやめ下さい!!お釈迦様」
と勝光王がストップをかける
「恐ろしくてもう聞いておれません。
その旅人は、何と愚かなのでしょう。
それほど危ない所にいながら、どうして、
蜜くらいでその恐ろしさを忘れてしまうのでしょうか」
すると
「王よ、聞かれるがよい。この旅人とはお前のことなのだよ」
勝光王
「えっ なんで私がこんな愚かな旅人なのでしょうか!?」
釈尊
「お前だけではない、全人類がこの旅人なのだよ」
すると周りで聞いていたお弟子たちも騒然とし
「世尊、なぜ私たちがこんな愚かな旅人なのですか?」
と聞かずにおれませんでした。
「これは一つの例えである。今からそれが何を教えているか、詳しく話そう」
さてどうして私達がこんな愚かな旅人とお釈迦様はいわれるのか?
今からお話ししましょう。