人間の実相 無常の虎1
旅人は白骨をみても慣れっこになって
他人事 他人事になっていました。
ところがそんな旅人の目前に現れたのは
飢えに狂った獰猛な虎だったのです。
旅人は瞬時に白骨の意味をさとりました。
この白骨はあの虎に食い殺された残骸なんだ
そして自分も今、あの虎に食い殺されんとしているのだ。
お釈迦さまがこの虎にたとえられているのは
無常の虎 私自身の死ということです。
東大教授 岸本英夫の告白
51歳の働き盛りで突然ガンの宣告をされた
岸本教授は闘病記
「
死を見つめる心」 の中に次のように書いています。
死は、突然にしかやって来ないといってもよい。
いつ来ても、その当事者は、突然に来たとしか感じないのである。
生きることに安心しきっている心には、死に対する用意が、なにもできていないからである。
死は、来るべからざる時でも、やってくる。
来るべからざる場所にも、平気でやってくる。
ちょうど、きれいにそうじをした座敷に、土足のままで、ズカズカと乗り込んでくる無法者のようなものである。
それでは、あまりムチャである。
しばらく待てといっても、決して、待とうとはしない。
人間の力では、どう止めることも、動かすこともできない怪物である
岸本英夫 死を見つめる心 より
見たり聞いたり想像している他人の死と
自分が本当にぶち当たっていかねばならない
自分の死とは全く違います。
これからは
私に必ず訪れる
無常の虎 私の死という問題を
見つめていきます。
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