「眼施」「和顔悦色施」とは?
1眼施……温かい眼差しで接する
最初の眼施(げんせ)といいますのは、やさしい暖かい眼ざしで周囲の人々の心を明るくするように勤めることです。
「眼は口よりも物を言う」
とか
「眼は心の鏡」
とも言われますように、人間の眼ぐらい複雑な色合いを写し出すものはありません。
その眼にたたえられた和やかな光は、どんなにか人々をなぐさめ励ますことでしょうか。
とくに落ち込んでいるときなどは優しい眼ざしに見つめられるととっても元気になります。
相手によってはどんな言葉をかけていいか分からない時があります。
そんな時はじっと温かく見つめてあげてください
見つめてあげる相手がいないときは
鏡に映った自分に対してでもいいですし草花や道にいるネコでもいいでしょう。
優しい眼差を心がけると不思議なことに自分のこころも落ち着いてきます。
布施は施された相手だけでなく
施した自分にかえってくるのですから
次の、和顔悦色施(わげんえっしょくせ)
といいますのは、優しいほほえみを湛えた笑顔で人に接することをいいます。
心からの笑顔にまさる美しさはありません。
純粋無垢な笑顔に接する時、人は一瞬人生の苦労を忘れ、生き甲斐さえ感じます。
笑顔はまわりを和ませ、トゲトゲしい対人関係をスムーズにします。
自分が苦しい時、辛い時さびしい時、笑顔をするのは苦しいことです。
無理して笑う、これもつかれることです。
ですが、自分がさびしい時、苦しい時はまわりの人の中にも同じような
つらい思いをしている人がいるはずです。
だから、思い切って、精一杯の笑顔をプレゼントしてあげましょう。
あなたの思いやりの心と勇気に生きる力をもらった人はきっと
あなたに感謝の言葉や感謝の眼ざしで返してくれるでしょう。
それがあなたを支えてくれる力になるのです。
「施しは生きる力のもとと知れ」