運命のしくみ講座(12)

どんな人と出会うか、どんな環境に身を置くかで、人生はガラリと変わる

 

 米というのは、モミダネから苗を作り、苗が稲穂となってできるのですから、モミダネがなければ、そもそも米はできません。モミダネは、米の絶対に必要な原因です。

 では、モミダネだけで米になるかというと、そうではありません。

 モミダネを机の上にまいても米にはなりません。
 モミダネという「因」に土や水、太陽の光が加わって初めて、米という「結果」になるのです。

 このように、「因」が「結果」になるのを助けるものを仏教で「縁」といいます。

 お釈迦さまは、
「因だけでは結果は生じない。因と縁とが結びついて初めて結果になるのだよ」
と教えていかれました。

 同じ因でも、縁が違えば、結果は異なります。
 例えば、同じ品種のモミダネを使っていても、土壌の善し悪し、田んぼの手入れの善し悪しといった環境の違いによって、できる米の量や質は変わってきます。
 縁が変われば結果も変わるのです。


 ですから、お釈迦さまは、よりよい縁を選びなさいと教えられました。
 なぜなら、私たちの心は弱く、ちょっとした縁でコロコロと変わるからです。

 朱に交われば赤くなるといわれるように、周りにいる人や環境などの縁に大きく影響を受けてしまうからです。
 どんな人と交わるか、どんな環境に身を置くかで、これからの人生も変わってきますから、周りにいる人や環境という縁はとても大事です。


「孟母三遷の教え」ということわざは、縁がいかに大切かをよく物語っています。

 中国の有名な思想家、孟子は、少年時代、墓場の近くに住んでいました。学業はそっちのけで、葬式ごっこをして遊んでばかりだったので、母親は見るに見かねて商店街に引っ越しました。
 すると、「今日はいくら損した得した」という商人の会話を聞いて育ちました。孟子に家事を頼むと、「時給いくら?」と言ってきたり、損得勘定で動いたりするようになってきました。
 子供の頃から損得だけで動く人間になってはいけないと心配した母親は、ついに学校のそばに引っ越しました。すると、周りには勉強熱心な友達も多く、学校の先生も近くに住んでいたので、孟子は一生懸命に勉強するようになったという話です。

 孟子という人は、今日でも教科書に出てくるような人ですから、もともととても優秀な人だったと思いますが、もし学校のそばに引っ越さなければ、歴史に名を残す思想家にはなっていなかったと思います。


 私たちはどんな人に出会うかで人生がガラリと変わります。
 自分に自信がなくても、自分を理解して励ましてくれる人に出会えば、人生は好転します。
 逆に、才能や能力に恵まれていても、努力を軽視する環境にいれば、せっかくの才能を生かせないまま、一生を送ってしまいます。

 あなたの能力や才能を生かし、よい結果を手に入れるためには、今いる環境が自分にとってよいかどうかを考えてみましょう。

 

 

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2018年06月05日