運命のしくみ講座(7)

私たちは心と口と体で毎日たくさんのタネをまいている

 

 春が訪れると、農家では田植えの準備が始まります。

 大事なのは、モミダネをまいて苗を育てること。
 田を耕して、水を張ると、一晩にして、田んぼが青空を映した鏡のような水田に変わります。田植え、肥料まき、草取りに汗を流し、風水害などから大事な稲を守り育てていきます。
 そして秋には、辺り一面が稲穂で黄金色になります。

 農家の方がモミダネをまいたことも、汗を流して一生懸命、田植えをした苦労も、実りの秋になると、報われます。


 けれど、タネまきをしているのは農家の方だけではないのです。私たちも毎日、たくさんのタネをまいているのだとお釈迦さまはおっしゃっています。


 どういうことかといいますと、お釈迦さまは、私たちの体の行いや、口でいろいろしゃべる行いや、心でいろいろ思う行いのことをタネと言われています。

「一生懸命、練習する」
「運動を心掛ける」
「掃除をし、部屋を片づける」
「笑顔で接してみる」
「約束を守る」
「相手の話を聞く」

というのは体でタネまきをしているということです。

「気持ちのいい挨拶をする」
「ありがとうとお礼の言葉を言う」
「相手の長所を発見して褒める」。

これは、口のタネまきです。

「自分を責めないようにする」
「思いやりの気持ちを持つ」
「感謝の心を忘れないようにする」。

これは、心によるタネまきです。

 もちろん、ここに挙げたことだけでなく、体や口や心でやったり、言ったり、思ったりしたこと全部をタネと言われていますから、私たちは、日々、いろんなタネまきをしていることになります。


 私たちは一生懸命努力しても、思ったとおりの結果が出なければ努力は無駄になったと思います。入学試験や資格試験に向けて頑張っても不合格になってしまうと、無駄な苦労だと思って頑張ったことを後悔してしまうこともあります。

 しかしお釈迦さまは、田んぼにまいた種がやがて実を結び、自分に返ってくるように、

「あなたのまいたタネは、まだ、芽が出ていなくても、必ず、実を結ぶのだよ」

と言われています。だから、無駄になる努力も苦労も何ひとつないのです。


 まかぬタネは絶対に生えないが、まいたタネは必ず生えます。

 お釈迦さまは私たちにどうしたら幸せになれるのか、幸せになるタネとは何かを教えていかれました。

 これから、皆さんと一緒に幸せのタネまきをしていきましょう。

 

 

 

 

2018年06月05日