好かれたい


 

お悩み

 人から好かれたいです。何か、これから始めたら良いということはありますか。



お答え

 自分をよく見たい、よく見せたいという心を「」といいますが、この心は、いろいろな形で表われます。

 中には、「自分はダメなんです」とか「私は何もできないんです」と自分を下げることで、自分をいい人だと見せたいという心があります。


 こうした心を仏教では「卑下慢(ひげまん)」といいます。

 自分を卑下することで、この人は、謙虚で控えめないい人だと思われたい心です。


 仕事で人より良い成績を出したのをほめられたとき、周りに気を使って、「いやぁ~、まぐれですよ」と言うことがありますね。
 それでも同僚に、「うん、お前、あれは本当にまぐれだよなあ」と返されたら、カチンと来ます。

 まぐれだと言ったのは自分なのに、他人からそう言われると面白くないのは、本当はまぐれだと思っているわけではないからです。

 このように、私たちは、周りによく思われたいために、自分の本心と真逆のことをいうことがありますが、これも度がすぎると、かえって卑屈になりすぎて、相手にいやな感じを相手に与えることがあります。


 では、どうすればいいのか。

 周りからほめられたときは、変に謙遜して自分を下げるのではなく、感謝の言葉を言えばいいのです。

 

 

「〇〇さん、今月の営業成績いいね」

 と言われたら、
「たまたまですよ、来月はきっとダメですよ」
 と言うよりも、

「ありがとうございます。□□先輩が、よい取引先を紹介してくださったんです。□□先輩のおかげです」

 と言ったほうが、好感度も高いし、自分も元気になりますね。

「〇〇さん、髪型素敵ですね」
「あとはだめですから」

 と自虐的に返すのでなくて、

「ありがとうございます。タレントの△△さんの髪型真似てみたんです。△△さんに感謝しなくちゃですね!」

 というように、人からほめてもらったら、それを否定するのではなくて、素直に、「ありがとう」と感謝の言葉を述べるのがよいでしょう。


 「自分はダメなんです」というよりも、「〇〇さんのおかげです」と誰かを立てたほうが、周りもあなたにもっと良くしようと思うでしょう。

 相手に気遣って謙虚になることは、必ずしも悪いことではありませんが、できることなら、自分を下げるよりも、「おかげさまです」と、感謝の言葉で返したいものですね。

 

 

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2018年09月14日