お悩み
どうも人間関係を築くのがニガテです。人が離れていくのは何が原因なのでしょうか。
お答え
私たちが毎日悩み、苦しむことの多くは、人間関係上の悩みが中心です。
でも、そうした悩みは、病気や借金の苦しみとは違って、ちょっと心掛けを変えてみることで、ガラリと解決できることがほとんどなのです。
なぜなら、人間関係のトラブルのきっかけになっているのは、ほとんどが言葉づかいなので、そこに気をつければ、その瞬間からよりよい人間関係を築けるからです。
お釈迦さまは「無財の七施」(むざいのしちせ)の中で、「言辞施」(ごんじせ)と「心施」(しんせ)を教えられています。
言辞施(ごんじせ)とは、心からの優しい言葉をかけるという意味です。もっと簡単にいうと、「褒める」ということです。
心施(しんせ)とは、心からの感謝の言葉を伝えるという意味です。簡単にいえば、「ありがとう」と言うことですね。
「素晴らしいですね」
「大変でしたね」
「本当にうれしいです」
「感謝でいっぱいです」
苦しい時に優しい言葉をかけてもらったり、自分の苦労や努力をねぎらってもらい、感謝の言葉を言われたりする。それだけで、人は「やってよかったな」「頑張ってよかったな」と思ってうれしい気持ちになるものです。
こづかいをもらったり、何かを買ってもらったりするのもうれしいですが、言葉のプレゼントは、それ以上に心にずっと残りますね。うれしい一言は、何年たっても忘れず、自分を励まし続けてくれるからです。
うれしい一言を相手に届けることができれば、一生、相手から好意を持たれることだってあるのです。
相手を褒める時に、知っておくとよいことがあります。
それは、人間は結果よりも、それまでの努力や苦労を褒めてもらったほうが何倍もうれしいということです。
手料理を振る舞われた時には、作ってくださった方の工夫や苦労がどこにあるかを探すように心掛けるとよいでしょう。
例えば、魚の煮つけが骨まで軟らかいなら、かなりの時間、煮込まれたのかもしれません。圧力鍋を使われたのかもしれない。魚の臭みがないなら、いろいろな薬味を入れられたはず。
そういう時に、
「だいぶ時間をかけられたのでしょう。圧力鍋を使われたんですか」
「どんな薬味を入れられたんですか。とても食べやすいですね」
と言うと、とても喜ばれます。
ただ「おいしいですね」と言うだけでは、作ってくださった方の苦労にはとても見合わないと思うので、相手の苦労や気配りを少しでも探すことが大切です。
レストランでごちそうになったのなら、数ある中でも、その店を選ばれた理由があるはずです。
「素敵なお店ですね。どうやって探してくださったんですか。ありがとうございます」とお礼を述べる。すると、「目に見えない自分の苦労に気がついてくれたんだな」と、とても喜ばれます。
素敵なレストラン、料理がおいしいというのは、目に見える結果です。そこに至った相手の方の苦労や努力、工夫は目には見えませんが、そこに気づいて褒めたり、お礼を述べたりすることができると、相手はあなたをますます好きになるでしょう。
相手の苦労や努力、工夫がすぐ見つからない時は、単に「おいしいです」「うれしいです」「ありがとうございました」とだけ言うのではなく、なんでおいしかったのか、うれしかったのか、ありがたかったのかという具体的な理由を言いましょう。
それを聞いた相手は、「ちゃんと分かってくれたんだな」と感心して、あなたに好意を持ってくれます。
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