お悩み
最近、なんだか疲れています。
先輩は「気力で乗り切れ」と言うのですが、その先輩はめちゃくちゃタフなんです。
私は気力どころか、仕事自体をつらく感じるようになっており、目標が来るたび落ち込んでいます。
お答え
がんばることは良いことではありますが、がんばりすぎは、かえって自分を損ねてしまうことがあります。
ですから、適度な休みを自分に与えることが大事です。
お釈迦さまも、過度に修行に打ち込みすぎる弟子に、
「琴(こと)の糸のように張るべきときは張り、ゆるむべきときはゆるめねばならぬ」
とお諭しになったといいます。
楽器の弦は、演奏するときは、ピーンと張らなければ、よい音がでませんが、いつも張り続けていると、伸びてしまってダメになってしまいます。
同じように、私たちも、がんばるときはがんばる、休む時は休むというメリハリや、バランスが大事です。
私は悩み相談を受けたときには、適度に休んでいますか? 睡眠はしっかりとれていますか? 食事の栄養バランスはとれていますか? ということを必ず確認しています。
心の持ち方をどれほどしっかりしようと思っていても、体が健康でなければ、気力も衰え、元気も出ません。
体調が悪い時は、物事を悪く考えがちになりますから、まず、よく睡眠をとる。体にいい、栄養バランスのとれたものを食べることが大事です。
これは当たり前のことですが、意外と見落としている人が多いように思います。
お釈迦さまも、ご修行時代に、河で沐浴(もくよく)をされていましたが、厳しい修行で憔悴(しょうすい)し、河から上がることができませんでした。
そのとき、そばを通ったスジャータという娘に、乳がゆを乞(こ)われました。
娘がほどこした乳がゆを食され、肉体の元気を取り戻したお釈迦さまは、その後、悟りをひらくことができたといわれます。
肉体の健康は、心の健康に密接に関係があります。
「仕事がつらい、最近、落ち込みやすい」という悩みは、肉体的に疲れていることから来ていることが多くあります。
日本人は特に、「がんばることがいいことだ、休むことはよくないことだ」と思っている人が多いのでしょう。
しかし、それで倒れてしまえば、結局みんなに迷惑をかけてしまいますし、自分の健康を損ねてしまっては、元も子もありません。
人それぞれペースがありますから、“みんなと同じように”がんばらなくてもいいのです。
最近、何だか疲れるなと思ったら、お釈迦さまの弟子へのお諭しを思い出して、しっかり休みを取ることが大事です。
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