お悩み
周りに優しくすれば好かれるのはわかっているのですが、気がつけばツンケンしている自分がいます。
自分で自分がイヤになります。
変えていくためにはどんなことから心がけていけばよいのでしょうか。
お答え
心理学者アドラーは、人間を根本的に動かしているのは、「優越を求める心」だといいました。
確かに、私たちには他人と比べて、自分が優れていると思いたいという強い欲求があります。
友達や同僚に対して、自分とどっちが、みんなから好かれているだろうか? どっちが仕事ができるだろうか? と比較してしまいます。
自分の方が優れていると思うと安心し、自分の方が劣っていると思うと悔しい気持ちやみじめな気持ちになるものです。
自分を他人と比べる心は誰にでもあるのですが、あまり気にしすぎると、相手との関係がギスギスしたり、疲れてしまいますから、とらわれすぎないようにするのが大事です。
お釈迦さまは「自分のほうが優れている」と思う心を、「慢(まん)」「過慢(かまん)」「慢過慢(まんかまん)」の3つに分けて教えられています。
まず「慢(まん)」とは、自分よりも劣った人を見て自分の方が上だ、と思う心のことです。
相手の容姿や、服装を見て、「私のほうがかわいい」とか「私のほうがおしゃれ」と思ったり、年収や、肩書き、仕事ができるかできないかを比べて、「俺のほうが上だ」「こんなこともできないのか」と相手を見下す心です。
もちろん、実際に、相手よりも自分の方が優れていることもありますが、その部分は相手よりも優れているだけで、すべてにおいて相手よりも優れているわけではありません。
ところが、何か1つ相手よりも優れていると、自分の方が偉いように思ってしまうのが、慢の心です。
次に「過慢(かまん)」とは、同じ程度の相手に対して、自分のほうが優れていると思う心のことです。
気になる相手と今月の営業成績が同じだったとき、来月は、負けないように頑張ろうと前向きに受け止めることができればいいのですが、
「あの人は、たまたま、良いお客さんを上司に紹介してもらったからだ。条件が同じなら、自分の方が成績がよかったのに」
という気持ちが出てきます。
同じ時期に昇進した同僚に対して、「あいつは上司に取り入ったからだ、本当は俺の方が上だ」と思う心です。
その次の「慢過慢(まんかまん)」とは、自分より優れている相手に対して、素直に認められず、相手の欠点を探して、「私のほうが上だ」と思う心のことです。
相手の優れた点を認めて、学ぼうとか、目標にしようと思えれば、自分の向上につながるので、とても良いことですが、なかなかそういう気持ちになれません。相手のアラを探して、引き下げたいという心が出てきます。
たとえば、自分よりもずっと勉強ができるクラスメートに対して、
「あの子は勉強はできるかもしれないけど、性格悪いのよね。私は友達多くて、みんなに好かれているから」
とか、
「スポーツならわたしの方が上よ」
と相手の欠点を見つけたり、自分の得意なところを持ってきて、相手の上に立とうとする心です。
人は、相手の優れているところを認めたくないものです。何かの理由をつけて、自分の方が優れていると思いたいものです。
人との関わりの中で、相手と自分の優劣を気にして、ギスギスしたり、気疲れしたりしてはいないでしょうか。
お釈迦さまの言われた3つの「うぬぼれ」にとらわれない努力をしてみましょう。いつもより、ほがらかに周りの人と接することができるようになるはずです。
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