お悩み
結婚式の日どりは、やっぱり大安にしておいたほうがいいですか? 式場の価格表をみるとかなりキビシイのですが……。
お答え
日本のカレンダーには、「大安」「仏滅」「赤口」などと書き込まれているものが多くあります。
「大安」は、よいことが起きる日、「仏滅」は悪いことが起きる日と、昔からいわれているようです。
「仏滅」というと仏教に由来するように思うかもしれませんが、実は、仏教とは何の関係もありません。
科学的な根拠がないとして、カレンダーから撤廃するように呼びかけている人も多くいます。
ところが結婚式の日取りは「大安」を選ぶ人が多く、「仏滅」を選ぶ人は少ないそうです。そのため、同じ式場でも「大安」の日は使用料が高く、「仏滅」の日は安くなるそうです。
高いお金を払ってでも、「大安」を選ぼうとする人が多いのは、日に「いい」「悪い」があると、信じているからでしょう。
仏教を説かれたお釈迦さまは、
「如来(にょらい)の法の中に吉日良辰(きちにちりょうしん)をえらぶことなし」
と教えられています。
「如来の法」とは仏教のことです。「吉日良辰」(きちにちりょうしん)とは「よい日」ということです。
仏教では「よい日」を選ばない、と断言されているのです。
つまり、この日はいい日、この日は悪い日と決めるのは間違いですよ、と教えられたのがお釈迦さまだと分かります。
少し考えても、いい日、悪い日が、あらかじめ決まっているというのはおかしな考えです。
「大安」に結婚したカップルと、「仏滅」に結婚したカップルを比べると、仏滅のカップルのほうが離婚率が高いという話は、聞いたことがありません。
また、合格発表の日が「大安」であっても、「仏滅」であっても、試験に合格した人にとってはいい日ですが、不合格だった人にとっては悪い日になってしまいます。
日は同じでも、人によって、よくなったり、悪くなったりするのです。
だから、お釈迦さまは、
「もともと、よい日、悪い日が決まっているという考え方は、根拠のない迷信なのだよ。そんなことを信じていては、幸せにはなれないのですよ」
と教えられています。
結婚後の生活が、うまくいくかどうかは、式を挙げた日によって決まるのではありません。
お互いの努力や思いやりによって決まるのです。
試験に合格するかどうかも、受験した日や、合格発表の日で決まるのではありません。
それまでの一人ひとりの努力によって決まるのです。
どんな人でも、幸せのタネまきを心掛ければ、今日の一日を、素晴らしいものにできるのです。
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