お悩み
一度きりの人生、悔いのないように生きたい。ですが、1日1日がアッというまに過ぎていきます。メールやSNSの返信ばかりで、大切なことが後回しになり、気がつくと1年が終わっている。こんなことはもうやめたいです。どういう心がけが必要でしょうか。
お答え
私たちが、なかなか、今に一生懸命になれないのは、まだまだ時間がある、と思っているからです。
そう思うと、今日でなくてもいいし、明日に回せばいいや、という気持ちになってしまいます。
子供のころ、夏休みの宿題というと、いつも、休みの終わりになってから、泣きながらやっていた記憶があります。
「今年こそは、宿題を先に片づけるぞ」
と思って臨むのですが、
「休みは長い。そんなに急がなくても大丈夫だ」
と思ってしまい、気がつくと、もう休みは残り1週間。
「こんなはずではなかった……」
と後悔ばかりしていました。
このようなことは、私たちの人生にも当てはまるのではないでしょうか?
誰しも、悔いなく生きたいと思っています。一度っきりの人生だから、一生懸命に生きたいと願っています。
ところが、ただ何となく時間を過ごしてしまったり、毎日が同じことの繰り返しのように思えたりして、惰性で日々が過ぎ去ってしまうことがあります。
いつまでも時間があると思っていると、時間を大切に使おうという気持ちになれません。
そして、時間という “命” を無駄づかいしてしまうのです。
仏教では、
「無常を観ずるは菩提心(ぼだいしん)の一(はじめ)なり」
と教えられています。
「無常」とは、常が無いということです。いつまでも生きていられるわけではない、自分に残されている時間には、限りがあり、いつ、人生に終わりが来るか分からないということです。
「菩提心」とは、本当の幸せということです。
幸せな人生とは、後悔のない人生のことですから、人生のはかなさ、有限さを見つめることが、悔いなき人生への第一歩なのだといわれているのです。
人生はあっという間です。月日はまるで、弓矢が飛んでいくように過ぎ去っていきます。
そして、時間の流れは、年を重ねるたびに、ますます速くなっていきます。
フランスの心理学者・ジャネーは、年齢とともに、時の流れが速く感じられるようになる現象を説明しました。
ジャネーの法則によると、生まれてから20歳までと、20歳から80歳までとでは、20歳までのほうが長く感じられるそうです。
20歳まであっという間だったとすれば、もっと速い、すごい勢いで、20歳から80歳までの60年が過ぎ去ってしまうということです。
確かに、小学生の時は、学校が終わるまで、とても長く感じたものですが、中学、高校になると、1日があっという間に終わり、気がついたら翌日の朝を迎えています。
社会に出ると、仕事に追われ、家事や育児に追われて、1週間があっという間に過ぎていきます。
20歳というと、まだ先が長いと思うかもしれませんが、もう、折り返し地点をとっくに過ぎているのかもしれません。
一人ひとりに残されている時間というのは、自分が思っている以上にずっと少ないものなのです。
「暇つぶし」を、英語で kill time といいます。kill = 殺す、time = 時間、ですから、「暇つぶし」というのは、自分の時間を殺していることになるのです。
生まれてから死ぬまでの時間が、その人の一生です。その時間を使い切った時が、その人の人生の終わりです。
人生は短い、という無常の現実をよく見つめると、限りある毎日を精一杯、大切に生きようという気持ちになります。
悔いなき人生への第一歩は、今日という日は二度と来ないということをよく見つめることなのです。
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