お悩み
自分の性格に問題があることは分かっています。直せるものなら直したいとも思っています。ですが、いくら努力しても変わりません。
私の性格は一生このままなのでしょうか？
お答え
知人や友達を見ると、自分にはないものが目について、うらやましく思うことがあります。
「どうして自分は、いつもこうなんだろう。もっと違う自分になりたい」
「自分の考え方を変えたい」
と思うことは、誰にでもあるはずです。
ところが、なかなか変わることができずに悩んでいる人が多くいます。
この性格は生まれつきだから、自分ではどうにもならない、とあきらめてしまっている人も多いようです。
でも、「今の私」は生まれつきで、絶対に変わらないものなのでしょうか。
お釈迦さまは、
「固定不変の私というものは存在しない」
と教えられました。
固定不変とは、生まれつき決まっていて、変わらないという意味です。
「生まれつき変わらない私はない」のですから、「私」というものは、常に変わり続けているのです。
実際に「私」というものは、毎日毎日、変化しています。
１日、１日だと、小さい変化なので気がつかないのですが、５年、１０年と時間がたつとハッキリ変わっていることが分かります。
昔は、人前に出るのが苦手だったけれど、仕事で、人前で話すことを重ねるうちに、まったく苦にならなくなったということもあるでしょう。
自信がなく、消極的な性格だと思っていても、小さな成功体験を積み重ねることで、なんでもチャレンジできる積極的な性格に変わるということもあります。
私たちが性格といっているものの多くは、日々の行動が、習慣化したものではないでしょうか。
遅刻や忘れ物、確認ミスが多く、自分はそそっかしい性格だという人は、いつも行動がぎりぎりになっていて余裕がない人がほとんどです。
直前になって移動したり、動き出したりしますから、結局遅れたり、必要な物を持っていくのを忘れてしまいます。
そそっかしい性格といっても、ぎりぎりになって行動するという習慣によるものですから、余裕をもって行動することが身につけば、そそっかしい性格も変えていけるでしょう。
ポジティブな考え方、ネガティブな考え方も、その人の毎日の思考がクセになったものだといえます。
物事を前向きに、明るくとらえることに心がけていけば、次第にそれが、習慣になりますから、明るい性格になります。
逆に物事を悪い方にばかり見ていくと、そういう見方が身についてしまいます。
性格とか、考え方というのは、言ってみれば、考え方のクセなのです。
違った視点から物事を見てみたり、自分とは違う発想に触れたりすることによって、変えていくことができます。
私たちの体を構成している物質も、数年周期で入れ替わるといわれています。
ですから、毎日、気が付くか気が付かないかの違いで、肉体は変化し続けているのです。
物質的にも、数年前の私と、今の私は、違う物質でできていることになります。
同じように、「私」も、「生まれついてずっと変わらない私」があるように思うかもしれませんが、毎日の行ないによって変わり続けています。
変わらない私もないし、変われない私もないのです。
もしあるとすれば、変われないと思っている私がいるだけではないでしょうか。
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