お悩み
星占いを見ていると、運がいい日は月に3日しかないです。他の日はどういう心がけで過ごしたらいいのでしょうか。特に、運が悪いと言われた日は不安です。
お答え
私たちは不安になると、根拠のないことでもすがりたくなります。
溺(おぼ)れる者はワラにもすがるといいますが、苦しいと、自分を支える根っこがないものにも、すがってしまいます。
しかし、ワラにすがっても、ワラと一緒に沈んでいくだけ。
お釈迦さまは、根拠のないことをどれだけ信じても、不安はなくなりませんよと教えられ、いつでもどこでも変わらない道理を教えていかれました。
例えば、世間一般では、「大安」とか「仏滅」といって、「大安」はよいことが起きる日、「仏滅」は悪いことが起きる日といわれています。
「仏滅」というと仏教に由来するように思うかもしれませんが、実は、仏教とは何の関係もなく、後世に作られた占いのようなものです。
他にも厄年だとか大殺界の時期には、よくないことが起きると信じている人もいますね。
ところが、お釈迦さまは、このような日に “いい悪い” が決まっているという考えを、
「私の教えの中に吉日良辰(きちにちりょうしん)をえらぶことはない」
と否定していかれました。
「吉日良辰」とは、「よい日」ということです。
私の教え(仏教)では、「よい日」を選ばない、と断言されているのです。
つまり、「この日はいい日」「この日は悪い日」と決めるのは間違いですよ、と教えられたのがお釈迦さまだと分かります。
確かに少し考えてみると、あらかじめ、この日はいい日、悪い日というのが決まっていると考えるのは、おかしなことだと気がつきますね。
「大安」に結婚したことによって、その後の夫婦生活が円満になるわけではありません。
受験日が「仏滅」でも、合格する人がいれば、不合格になる人もいますよね。
同じ日であっても、よい日になるか、悪い日になるかは人それぞれです。
では、その日がよい日になるか、悪い日になるかは、何が決めるのでしょうか?
お釈迦さまは、その人自身の心がけや行ないが、よい日、悪い日を決めるのだよと教えられています。
あなたが、精一杯、よい行ないの “タネまき” を心がければ、その日が仏滅でも、友引でも、かならず素晴らしい日になります。
失敗したりつらいことがあったりしても、それを受け止め、深く反省して、次に活かす。
そうすることができれば、つらいと思った日々も、自分を大きく成長させてくれた日々ということになるでしょう。
「日々是好日」(にちにちこれこうにち)という禅語もあります。毎日がよい日であり、どんな日もかけがえのない1日なのです。
日にいい、悪いは決まっていません。
どんな日であっても、あなた次第で、好日(素晴らしい日)にすることができるのです。
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