お悩み
妻はすぐ怒ります。私が悪いときもありますが、どう考えても理不尽なことが多く、いやになります。反論すると火に油なので黙るようにしていますが、我慢の限界です。
お答え
お釈迦さまは、腹が立った時の受け止め方に3とおりあることを、次のような例えで教えられています。
「水の上に書いた文字は、書いたそばから流れて消える。
砂の上に書いた文字は、しばらくして消える。
岩に刻んだ文字は、いつまでたっても消えずに残っている」
つまり、
「腹が立っても、すぐに忘れてしまえる人」
「しばらくたたないと気持ちが落ち着かない人」
「いつまでたっても不愉快だったことを思い出して腹を立てている人」
と、3とおりあるのだと言われています。
人間、腹を立てないようにはなれませんが、腹を立てたあと、岩に刻んだように、いつまでもその怒りの炎が消えないのは、とても苦しいことです。
できることなら、水に書いた文字のように、書いたそばからサラサラと消えていってほしいと思いますが、なかなか、そうならないところが悩ましいところです。
腹が立つと、自分の正しさを証明しようとして、相手の悪いところや非があるところを見つけ出そうとします。
そして、「悪いのは相手で、被害者は自分だ」と思い込み、ますます怒りの心が強くなっていきます。
こんな時、どのようにしたらいいのでしょうか。
いったん、相手を責め始めると、相手のことを考えれば考えるほど、腹が立ってきます。
それが、ますます、相手を責める原動力になってしまいますから、なるべく考えないようにしたほうがいいと思います。
嫌なことが思い出されて、ムカムカときた時は、散歩に出掛ける、友達と話をして気分転換をする、好きな音楽を聴いて気持ちを切り替えるなど、怒りのループにはまらないことが大事です。
心はちょっとしたきっかけで変わりますから、このようにするだけでも、意外と気持ちを前向きに保つことができるものです。
それでも、怒りが治まらなくてつらい時は、自分を傷つけた相手への仕返しに心を奪われるよりも、傷ついた自分の心に目を向けてみましょう。
腹が立ったり恨んだりして、苦しんでいる心の底には、
「頑張っているのに分かってもらえなかった」
「もっと優しくしてもらいたかった」
などと、傷ついている自分がいるはずです。
相手をどんなに責めても、傷ついている自分の心が癒やされない限り、怒りは増大するばかりで苦しみはなくなりません。
何が悲しかったのか、どうしてほしかったのか、何が悔しかったのか、という自分の気持ちに目を向けて、それを誰かに聞いてもらったり、ねぎらいの言葉をかけてもらったりすれば、だんだんと心は落ち着いてきます。
今、傷ついているのは、自分自身だと分かれば、傷つけた相手に仕返しする前に、傷ついた自分の手当てをすることのほうが大事だと分かるはずです。
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