お悩み
気をつけているのに、怒るとカッとなって言ってはいけないことを言い、人間関係を損ねてしまいます。
お答え
「売り言葉に買い言葉」といわれますが、私たちは何か心外なことを言われると、言い返したくなります。何も言い返せないと、負けたと思ってしまいます。
意地や我執(がしゅう)でもう後には引けない、そういう状態になると、怒りが怒りを呼び、どんどんエスカレートして、大きなケンカに発展してしまいます。
最初は、ささいなぶつかり合いや意地の張り合いだったのが、怒りの応酬により、お互いをひどく傷つけてしまうこともあります。
私は、子供の頃、弟とよくケンカをしました。お互い好きなマンガのキャラクターがあって、どっちが強いかで言い合いになるのですが、だんだん、それがエスカレートして、お互いをののしり、殴り合いになるのです。
仲裁に入った母から、「なんでケンカになったの?」と問いただされても、理由さえ思い出せないこともありました。
何かでカチンときても、どちらかが言い返さず流していれば、お互い引っかいたり、かみついたり、傷つけ合ったりすることもなかったと思います。
大人も同じです。
「あの時、おまえが、ああ言ったからだ」
「おまえこそ、あの時、あんなことしたじゃないか」
と、どちらが最初か分かりませんが、「やられたら、やり返す」を繰り返しているうちに、お互い疲弊(ひへい)して傷ついてしまいます。
お釈迦さまは、
「悪口に対しては悪口で、怒りに対しては怒りでやり返すのは、結局、自分を苦しめることになる愚かなことなのだよ」
と教えられています。
風の音や波の音に腹を立てる人はありません。どんなに「うるさいな」と思って怒ってみても、どうしようもないからです。
気に食わないこと、腹立つことを言われた時、それを、風の音や波の音を聞くように、さらりと流すことができれば、それ以上、苦しむことはありません。
逆に、それを受け取って投げ返すと、相手はさらに強い勢いで投げてきます。結局、お互いが傷つくのです。
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