お悩み
SNSであまりにも無神経なコメントをされて、腹が立ってしかたありません。
こんな相手と同じ土俵に立ってはいけないと思ってコメントは返していませんが、思い出すたびに腹が立ち、何か返してやりたくなります。
こういう相手にはどう対処すればよいのでしょうか。
お答え
「売り言葉に買い言葉」といいますが、私たちは何か心外なことを言われると、言い返したくなります。
意地やプライドでもう後には引けない、そういう状態になると、怒りが怒りを呼び、どんどんエスカレートして、大きなケンカに発展してしまいます。
お釈迦さまは、ご自分を非難する者にどのような態度で応じられたのでしょうか。
こんなお話が伝えられています。
あるとき、男がお釈迦さまのところに来て、さんざん悪口を言い、ひどくののしりました。
腹を立てさせて、お釈迦さまの名声を損なおうという魂胆だったのです。
それを黙って聞いておられたお釈迦さまは、男が言い終わると、静かにたずねられました。
「おまえは祝日に、家族や親戚たちを招待し、もてなすことはあるか」
「そりゃ、あるさ」
「親族がそのとき、おまえの出した食べ物を食べなかったらどうする」
「食わなければ、残るだけさ」
「私に対して悪口を言い、ののしったとしても、私がそれを受け取らなければ、その悪口は、そこに残るだけで、誰のものにもならない」
「いや、いくらあんたが受け取らなくとも、お前に対して言った悪口なのだから、お前のものだ」
「私は受け取っていないのだから、お前の悪口は、お前の手元に残っている」
男はだんだんムキになってきました。
するとお釈迦さまは、おだやかに答えられました。
「ののしられたとき、ののしり返し、怒りには怒りで報い、打てば打ち返す。闘いを挑めば闘い返す。それらは与えたものを受け取ったというのだ。
しかし、その反対に、なんとも思わないものは、受け取ったとはいわないのだ」
「それじゃあなたは、いくらののしられても、腹は立たないのか」
と男が驚いて聞き返すと、お釈迦さまは静かにうなずかれ、
「智慧(ちえ)ある者に怒りなし。よし吹く風荒くとも、心の中に波たたず。怒りに怒りをもって報いるは、げに愚かもののしわざなり」
(本当の賢さを備えた者には、怒りはない。外で風が激しく吹いていても心が乱れることがないように、どんな暴言にも心乱れることはないのだよ。
逆に、怒りには怒りで報い、互いを傷つけ苦しむのは、愚か者のすることなのだ)
と答えられました。
男はお釈迦さまのお徳に心打たれ、思わず、「私は、愚か者でありました。お許しください」と、その場で弟子になったといいます。
もちろん、お釈迦さまのように泰然自若(たいぜんじじゃく)とするのは、とてもできないことですが、心ない言葉や傷つくことを言われても、それを受け取らないようにする心がけは、とても大事ですね。
風の音や波の音に腹を立てる人はありません。
気に食わないこと、腹が立つことを言われたとき、それを、風の音や波の音を聞くように、さらりと流すことができれば、それ以上、苦しむことはありません。
どんな悪口も受け取らなければ、風や雨の音と同じです。
ぜひ、心がけたいものです。
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