お悩み
どうしたら腹が立たなくなるでしょうか。
お答え
私たちは、ちょっとしたことで腹を立ててしまいます。
怒りの炎は、一度、燃え上がると自分ではなかなか消せません。カチンとくると、もう、その一言が忘れられなくなって、腹が立って、眠れなくなってしまうこともあります。
どうしたら、この怒りの心をなくせるのかと、悩んでいる人も多いと思います。
中には、怒りっぽい自分に嫌けが差して、「なぜ自分はこんなに短気なんだろうか。あの人は、いつもおだやかなのに。私は本当に、怒りっぽくてダメな人間だ」と自己嫌悪に陥ってしまう人もあります。
そもそも怒らない人、腹を立てない人はいるのでしょうか?
有名な古典『歎異抄』(たんにしょう)の中には、人間のことを「煩悩具足の凡夫」(ぼんのうぐそくのぼんぶ)と書かれています。
「煩悩」とは、私たちを、煩(わずら)わせ悩ませる心です。
仏教では、人間は108つの煩悩を持っていると教えられています。その中でも、特に私たちを苦しめるものが、欲と怒りと愚痴の心です。
「具足」(ぐそく)とは、それによってできている、ということです。
「凡夫」(ぼんぶ)とは、人間のことです。
つまり、「煩悩によってできているのが人間である」ということです。
私たちは、欲や怒りや愚痴の心のかたまりだといわれているのですから、腹を立てない人など、いるはずがありません。
私は、講座の参加者から、「どうしたら腹が立たなくなるでしょうか」と尋ねられることがあります。
結論からいいますと、煩悩のかたまりが私たちですから、腹立ちがなくなることは、死ぬまでありません。
お釈迦さまは、怒りについて、次のように教えられています。
「怒りの蛇を、口から出すのは下等の人間。
歯を食いしばって、口から出さないのが中等。
胸に蛇は狂っていても、顔に表さないのが上等の人間である」
怒りのままに、ガーッとどなり散らしてしまう人。
「ここでキレたらまずい」と、怒りが爆発するのを、必死に抑えている人。
どんなに腹が立っていても、ぐっと飲み込んで、表情には出さない人。
怒りの蛇は、誰の心にもさか巻いていますが、忍耐してこそ幸せになれると説かれています。
次のページから、全ての人を煩(わずら)わせ悩ませている「怒りの心」の見つめ方について、お釈迦さまの教えを通してお話ししたいと思います。
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