究竟憐愍の恩(くきょうれんみんのおん)
(10) 究竟憐愍(くきょうれんみん)の恩最後は、「究竟憐愍の恩」。
これはどんな状況になっても
親は子供のことを思い憐れむご恩です。
親は七十、八十の老境に入っても子供をあわれみ、慈しむ。
その情は終生絶える間もなく、あたかも影の形に添うがごとく、親の心は子供から離れることはないのです。
「己生ある間は、子の身に代らんことを念い、己死に去りて後には、子の身を護らんことを願う」
と『父母恩重経』にはあります。
姥捨て山伝説の中に
自分をかついで山に捨てに行く子供が帰り道迷わないかを
案じて木の枝を折って目印をつけるという場面があります。
どんな状況でも自分よりも子供
という親心が描かれています。