怒らない人が怒らない為に心掛けているコツとは?柔和忍辱について

この記事はこんな人にオススメ
  • すぐにカッとなってしまう人
  • 怒りっぽい性格を改善したい人
  • 身近にいる怒りっぽい人に困らされている人

岡本一志

今回の記事を読めば、怒らない方法だけでなく、自分自身を深く知る方法について知ることができます。

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執筆者:岡本一志

一般社団法人全国仏教カウンセリング協会代表
仏教の教えにもとづいたアドバイスをしている
著作に「心がほっとする仏さまの50の話」三笠書房
「心がすっと晴れる仏さまの伝えたかったこと」
など計5冊、累計35万部突破のベストセラー

みなさんの周囲には、どのような人がいらっしゃいますか?

怒りっぽい人、いつも穏やかな人など様々な人がいらっしゃると思います。

仏教の教えでは、人とは煩悩の塊であるとされています。

人の心の中には、常に恨みや妬み、そして今回のテーマである「怒り」といった感情があるのです。

いつも穏やかな人であっても、「怒り」という感情は必ず存在しています。

その「怒り」の感情が頻繁に爆発して体の外に出す人を、俗に「怒りっぽい人」「怒りやすい人」などと言われ、

「怒り」を覚えても、その感情を体の外に出すことなく、体の内側で制御・処理できる人は、「怒らない人」や「穏やかな人」などと言われます。

では、その違いは一体何なのでしょうか?

今回は「怒る人」「怒らない人」の違いを仏教の観点からお話したいと思います。

YouTubeではもっと詳しく話していますので、ご覧ください。

 

怒らない人は怒りのツボを知っている

怒らない人とはつまり、自分自身で「怒り」を制御できる人です。

矛盾しているようにも思えますが、怒らない人は自身の怒りのツボを自覚しているのです。

私たちの身体に、「ここを軽く押されただけでも、痛い」と感じるツボがあるように、私たちの心にも同じようにツボが存在します。

「何を言われたら、怒りがこみ上げてくるのか?」

「何をされたら、ストレスを感じるのか?」

「何を見たら、イラっとするのか?」

この「何」の部分こそが、怒りのツボです。

自分が何に対して怒りを覚えるのかを自覚している人ほど、そこに気を付けることができ、自分の感情を上手にコントロールできます。

そうやって、怒りによる爆発を無理に抑えこまず、自分の中で感情を処理しているのです。

 

怒らない為の3つのコツ

怒りのツボを自覚することで、

怒らない為に下記3つの対策をとることができます。

①そこに触れられないように対策することができる

②触れられそうになると心の準備ができる

③なぜそこに反応するのか?自分を深く知ることができる

それぞれを説明しますと、

 

①そこに触れられないように対策することができる

自身の怒りのツボを知っていることで、ツボに触れられそうな出来事が起こったとしても自ら離れることができます。

例えば、複数人との会話の途中で、触れられたくない話題(怒りのツボ)が出てくることが予見できる場合には、自ら話題を変えるよう促すことができます。

またストレスを感じやすいポイントを知っていると、そういった環境に行かないようにすることができますし、もしその環境の中にいても、自覚をしていることで具体的な対策をとることができます。

 

②触れられそうになると心の準備ができる

①のように対策をとっていたとしても、どうしても避けることのできない場合もあることでしょう。

そのようなときでも、覚悟をした上でツボに触れられるのと、全く心の準備もなしに触れられるのとでは、ダメージが全く異なります。

どうしようもない状況になったならば、覚悟を決めて、心の準備をしましょう。

 

③なぜそこに反応するのか?自分を深く知ることができる

自分の怒りのツボを自覚することによって、

・どうしてそこに反応をしてしまうのか?

・どうして怒らずにはいられないのか?

その原因を深く考えることができます。

もしかしたら、解決の手段をみつけることができるかもしれません。

毎回、「怒りのツボに触れられて、怒る」を繰り返していたら、気づきも学びもありません。

御自身について見つめ直す良い機会と捉え、一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか?

 

仏教の教えによる怒りとは

仏教の教えでは、

怒りのことを、『瞋恚(しんに)』と呼びます。

瞋恚は、我執(がしゅう)を妨げられたときに出てくる感情です。

我執とは、こうあるべきだ、こうあってほしい、という自分の想いや拘りのことを言います。

例えば、あなたに腹が立つ出来事が起こったとします。

それは、「こうあってほしかった」「こうあってほしい」というような何らかの想いや欲求、都合などが妨げられた為に、腹が立ったのです。

こういった出来事から表れる感情は、必ず「怒り」であるとは限りません。「悲しみ」といった感情である場合もあります。

いずれにせよ、自分の想いが根っこにあることに変わりありません。

 

怒らない人になるにはどうすればいいのか?

仏教の教えによる、「怒り」の定義を御説明いたしましたが、

では、どうすれば怒らないようになれるのでしょうか?

答えは、想いを柔らかくすることです。

想いを柔らかくすることでぶつからなくなり、怒りの心を起こさなくて済むのです。

このようなことを仏教では『柔和忍辱(にゅうわにんにく)』と呼びます。

「柔和(にゅうわ)」とは、自分の心が柔軟という意味です。

自分の考えは絶対ではなく、様々な見方が存在するということを自覚することで、

自分の一方的な想いで怒っていたということに気付くことができます。

その感情を受け入れることで、怒りの炎は和らぐのです。

 

老子に学ぶ たおやかさ

仏教ではありませんが、私の好きな老子の言葉があります。

 

生きとし生けるものは皆たおやかである。

硬直したものは砕けやすく、力強いものは転げ落ちる。

 

「たおやか」とは、釣り竿のようにしなやかという意味です。

この老子の言葉を簡単に解説しますと、

しなやかな者こそが生き延びることができる。

今現在、生存している生き物は、強いものが生き残っているのではなく、たおやかなものが生き残っているのです。

硬いものはやがて砕けてしまいます。また、力強いものは、バランスを崩したときに、自分の力で転げ落ちてしまいます。

反対に、柔軟でしなやかなものは、どんな環境でも変化して対応していくことができます。

本当の強さとは、しなやかさであり、たおやかさなのです。

ここまでを一度まとめてみましょう。

 

怒りという感情は、「こうでないといけない」というような自身の拘りや想いからきています。

なぜそこに反応してしまうのか?を考えることによって、自分自身をより深く理解することができます。

自分自身を根っこから理解することによって、いろんな環境において自分の考え方を見つめることができ、怒りの感情を上手にコントロールできるようになります。

つまり、上手に、且つ柔軟に自分自身と対話をすることができるようになるのです。

 

心理学者リルバート・エリスのABC理論

ある心理学の理論をご紹介いたします。

心理学者 エルバート・エリスの提唱した、ABC理論(論理療法)です。

例を挙げて説明をしますと、

「バタンッ!」と大きな音を立ててドアを思いっきり閉めた人がいました。

すぐ近くで見ていたあなたは、どう思うでしょうか?

イラっとするかもしれませんし、イラっとまではしないにせよ、あまり良い気持ちにはならないと思います。

あなたはなぜイラっとしたのでしょうか?または不快な気持ちになったのでしょうか?

それは「ドアは丁寧にしめるべきだ」という常識や考えとぶつかって、怒りの感情が湧いたからです。

もしも、「ドアを乱暴に閉めることが日常の挨拶や友好の証」ということが常識な国にあなたが生まれ育っていたとしましょう。

すると、大きな音を立ててドアを閉める人がいても、不快に思うどころか、むしろ気持ち良く感じているはずです。

つまり、自分の中の常識と相手の常識が異なることが、ストレスになるのです。

この各々が思う「こうあるべき」という感情を、

ABC理論(論理療法)では、ビリーフ(信念)と呼びます。

私たちは、意識するしないに関わらず、各々が様々なビリーフ(信念)を持っています。

上記の例でいうと、

「大きな音を立ててドアを閉める」という行為に対して、良い気持ちにはならないにせよ、腹を立てて怒る人もいれば、イラっとする人、気にしない人など反応は様々です。

これは、それぞれの中のビリーフ(信念)が異なるからです。

「大きな音を立ててドアを閉める」という行為に対して、

「ドアは丁寧に閉めるべきだ」というビリーフ(信念)の強さや解釈によって

人として許されざる行為だと考える人がいれば、腹を立てるかもしれません。

何様のつもりだと考える人がいれば、イラっとするかもしれません。

このように、腹を立てたり、イラっとしたりするのは、それぞれ自分なりの信念体系(強い想いや拘り)があるというのがABC理論です。

これは「良い」「悪い」ということではありません。

ただ、ビリーフ(信念)が強すぎて、その人を生きづらくさせてしまっているのであれば、柔らかくしていく必要があります。

怒りのツボが強張っているのです。だから、そのツボを刺激されると過剰に反応するのです。

そのようなツボがあれば、もみほぐしてあげましょう。

人間の身体のツボと同じで、その1点が悪いのではなく、そこと繋がっている別の場所に原因がある可能性があります。

怒りのツボも、自身の根っこを掘り下げて、どこに原因(拘りや信念)があるのかをみつけて、それが自分を生きづらくさせているのかどうかを見つめ直しましょう。

必要があれば柔らかくほぐしてあげるとよいでしょう。

 

柔和忍辱

仏教のお話のなかに、お釈迦様の弟子 スボダイ尊者が出てきます。

スボダイ尊者は、下記の2つの言葉で称えられていることで有名です。

無諍第一(むじょうだいいち)

言い争いしない第一

・解空第一(げくうだいいち)

空を深く理解する第一

この2つの言葉は本質的に繋がっています。

これらを説明するように、スボダイ尊者はこのようなことを仰っています。

 

柔和とは穏やかなさまであるが

本質的には 空を観じ、柔軟で柔らかな心を持つこと

 

スボダイ尊者は大変穏やかな人でした。

元々穏やかであったのではなく、お釈迦様の教えを聞いて深く自分を見つめ、穏やかな人物になられたそうです。

本質的に、全てのあらゆるものが空であって、絶対的な存在ではないのです。

自分が「こうあるべきだ」「こうでないといけない」という考えは空であり、絶対的なものではありません。

ある状況、ある立場で、そう思っているだけであって、立場や状況が変わればまた違って見えることもあるのことをスボダイ尊者は深く理解しておられました。

スボダイ尊者は、常に柔軟でたおやかな心で相手に接しておられていたことでしょう。

 

さいごに

いかがでしたでしょうか?

是非皆さんも、御自身の怒りのツボを振り返ってみてください。

紙に書き出してみると、対処もしやすくなることと思います。

いろんな想いや拘りを、仏教の教えによってマッサージして、

是非しなやかな、たおやかな心で、日々穏やかに過ごしていきたいですね。

 

 

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