因果応報は必ずある?それともない?疑問にこたえます

因果応報は、四字熟語としても習うので、ほとんどの人が小さい頃から知っている言葉です。

因果応報の意味は、「良いことをすれば良い結果(幸福)が返ってくる。悪いことをすれば悪い結果(不幸)が返ってくる。」ということです。

どちらかというと、悪い意味で使われることが多いでしょう。

しかし因果応報について、疑問を持っている人もいるのではないでしょうか?

今回の記事では
  • 因果応報は必ずある?
  • 因果応報なんてものはない?

このような疑問にお答えします。

 

因果応報とは

因果応報とは、以下の意味です。

いんが-おうほう【因果応報】

人はよい行いをすればよい報いがあり、悪い行いをすれば悪い報いがあるということ。

▽もと仏教語。行為の善悪に応じて、その報いがあること。現在では悪いほうに用いられることが多い。「因」は因縁の意で、原因のこと。「果」は果報の意で、原因によって生じた結果や報いのこと。

引用:三省堂「新明解四字熟語辞典」

もう少し噛み砕いて説明します。

因果とは

因果とは、原因と結果という意味です。

どんな結果にも必ず原因があります。

原因なしに起きる結果は、絶対にないということです。

そして仏教で言われる因果とは、幸福や不幸の因果のことです。

科学や法律でいわれる因果関係ではありません。

私たちが、幸せになるためにはどうしたらいいかを教えるためにブッ、幸福になるための因果関係のことです。

詳しくは以下の記事を御覧ください。

原因と結果の法則が仏教の基礎

応報とは

応報とは、私たちが行った善い行い、悪い行いに応じて、報いを受けるということです。

幸せのタネをまけば、幸せの花が咲きます。

悪い種をまけば、不幸な運命を必ず受けるのです。

以下の記事でも書いていますので、お読みください。

因果応報とはどういう意味なのでしょうか?

すべての運命は因果応報できまります。自分のまいた種まきに応じて、善い運命にも悪い運命にもなるのです。

因果応報については下記をお読みください。

因果応報とはどういう意味なのでしょうか?

しかし、悪いことをして本当に報いを受けるのか、心配になる人もいます。

正直者は馬鹿を見るという言葉もあるように、実際は悪いことをしたほうが得をするのではないかと思うからでしょう。

また悪いことはした覚えはないのに、不幸がきたという経験があると言う人もいます。

因果応報は、必ずあるのでしょうか?

 

因果応報は必ずあります。

結論から言えば、因果応報は必ずあります

なぜならブッダ(お釈迦様)が教えられているからです。

ブッダと因果応報の関係について、以下で説明します。

ブッダが因果応報を発見された

因果応報は、ブッダが生み出したり、創り出したというものではありません。

このことについてブッダはこのように仰っています。

因果応報(縁起の法)は『わが作るところにも非ず、また余人のところにも非ず。
如来の世に出ずるも出てざるも法界常在なり。如来はこのほうを自ら自覚し、等正覚を成じ
諸の衆生のために分別し演説し、開発顕示するのみなり。』

引用:雑阿含経

この意味は、以下のようになります。

「因果応報の法則は、私が作ったものではない。他の誰かが作ったものでもない。ブッダ(如来)が地球上に生まれようが、生まれまいが、常に存在する真理なのだ。
ブッダは、仏の悟りをひらくことではっきりと発見し、すべての人々にこの法を説くだけである。」

科学者が万有引力や相対性理論の法則を発見されたように、
お釈迦様も仏のさとりをひらくことで、因果の法則を発見されたのです。

次に、仏の悟りについて、確認しておきましょう。

仏のさとり

仏教では、さとりといっても、52段のさとりがあります。

これを「菩薩の52位」とか「さとりの52位」といいます。

この52段目のさとりを仏覚というので、仏のさとりとは、52段目のさとりのことをいうのです。

仏のさとりについては下記をご覧ください。

仏教の悟りとはどんなことなのでしょうか

さとりの内容

大学生だったらレポートの提出が間に合わないとき
「もう提出期限に間に合わないとさとった」
というようにさとるかもしれません。

しかしこれは仏教でいうさとりではありません。

仏教で何をさとるのかというと、大宇宙の真理です。

この大宇宙の真理を、因果応報といわれたり、縁起の法といわれます。

因果応報は真理なので、必ずあるのです。

万有引力や相対性理論のような科学的真理のように、歴然として存在するのです。

科学的真理は、将来的に、間違いだと証明される可能性がありますが、因果応報は将来変わったり、なくなったりすることは決してありません。

ブッダは嘘をつく?

もしかしたら中には「ブッダが嘘をついているかもしれない」と思う人もいるかもしれません。

しかし「仏語に虚妄なし」です。

ブッダが教えられたことに嘘偽りはないのです。

世の中には動物や魚などあらゆる衆生がいますが、「嘘をつくのは人間だけ」だと言われます。

犬や猫などの動物でも嘘をつかないのですから、ブッダが嘘をつかれることはあり得ないのです。

 

因果応報がないと思う理由

とはいえ「因果応報はない」と思ってしまう理由もよくわかります。

それは因果の法則の3つの特徴があるからです

因果応報の特徴1:結果がでるまでに時間がかかる

自分のまいたタネが、自分に結果となって返ってくるまでに時間がかかります。

これを順現業、順次業、順後業といいます。

詳しくはこちらの記事で説明していますので、お読みください。

まいたタネは必ず生える 遅い早いがあるだけ

因果応報の特徴2:心の種まきは目に見えない

仏教では行為を3つの方向から教えられます。

身業、口業、意業の三業といわれます。

身業は、身体でやる行い。

口業は、口で話しをすること。

意業は、心で思うこと。

仏教では、特に意業である心の種まきを重視します。

心の種まきは目に見えないですし、心まで気にして生活している人は少ないので、自分が心でタネを巻いていることに気づかないのです。

心については下記もご覧ください。

心はすべての行動のもとである

因果応報の特徴3:業には力がある

なぜ自分のやった行いによって、結果をうけるのでしょうか。

それは、行為には力があるからです。

因果応報は、別の言い方をすれば自業自得の法則です。

業とは、私たちの行為のこと、自分のやった行いによって、幸不幸の結果を得ます。

その理由は、業には目に見えない力があるからです。

ブッダは仏のさとりをひらいて、「業」をあきらかに教えていかれました。

業は、ブッダでなければ教えることができないことなのです。

私たちは、知らず知らずのうちに悪業を作り続けているのです。

知らずに作った悪い種まきの結果を、思いもよらず受けてしまいます。

自業自得については、以下の記事でも学んでください。

本来の自業自得の意味とは

 

良い種をまけば必ず良い結果が返ってきます。

今回は、「因果応報は必ずある?ない?」という疑問に対して答えました。

因果応報は、必ずあります。

それは仏のさとりを開かれた、ブッダが教えられたからです。

「仏語に虚妄なし」と言われ、ブッダの言葉には嘘偽りは絶対にないのです。

そのため、幸せのタネを巻けば、必ず幸せの花が咲きます。

善い行いを心がけて生活をしていきましょう。

「どうしたら幸せになれるのか」「どのようなタネをまいたらいいのか」についてより詳しくはメール講座でもお話していますので、学んでみてください。

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執筆者:岡本一志
一般社団法人全国仏教カウンセリング協会代表 仏教の教えにもとづいたアドバイスをしている 著作に「心がほっとする仏さまの50の話」三笠書房 「心がすっと晴れる仏さまの伝えたかったこと」 など計5冊、累計35万部突破のベストセラー
 

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