思いやりの気持ちさえあれば誰にでも布施はできる
周りの人から好印象を持たれたい、「あの人は感じのいい人だな」と思われたい。これはみんなが思うことでしょう。
実は、仏教の教えにあるちょっとした心掛けを実践すれば、あなたの印象はガラリとよい方向に変わります。
それは、お釈迦さまの教えの中にある無財の七施(むざいのななせ)です。
この七施の中にある眼施(げんせ)と和顔悦色施(わげんえっしょくせ)を実践すると、印象がとてもよくなるのです。眼施とは、優しい温かいまなざしで周囲の人々に接することです。
「目は口よりも物を言う」「目は心の鏡」といわれるように、人間の目ぐらい、複雑な色合いを写し出すものはありません。
人間の目にたたえられた和やかな光は、人々をなぐさめたり、励ましたりする力があります。特に、落ち込んでいる人は、優しいまなざしで見つめられるだけで、とっても元気になるのです。
初対面の人に対して効果的なのは、気の利いた言葉よりも優しいまなざしを送ることです。会った最初に、相手から優しいまなざしを送られると、その人のことを悪い人だとは絶対に思わなくなるからです。
「話しやすそうな人だな」と好印象を持たれれば、自然と会話も弾みます。思いがけない素敵な出会いに発展するかもしれません。
口数が少なかったり、口下手な人でも、周りから「何となくいい人だな」「癒やしのムードメーカーだな」「あの人がいると場が和む」などと思われます。
眼施とは、優しい温かいまなざしで周囲の人々に接することです。
どうしたら優しいまなざしになれるのかと思う人もいるでしょう。そのコツは、自分の目線を相手の目に向けることなのです。まず、挨拶をする時は相手の目を見て挨拶をします。これだけで、印象の残り方が全く違います。そして、相手が何かを話し始めた時も、相手の目を見ます。
ずっと見続けると、相手が話しにくくなってしまうので、見つめて十秒ほどしたら、相手の口元や胸元に目線を移します。また、相手の目に視線を戻します。
そして時折、「うんうん」とうなずきます。
この一連の動作を続けると、「この人はなんて丁寧に自分の話を聞いてくれるのだろう」と相手は感動し、好印象を持ちます。
和顔悦色施は、優しいほほえみをたたえた笑顔で、人に接することです。
笑顔やほほえみをプレゼントするという意味ですね。
仏教だけでなく、医学的にも心理学的にも、笑顔が健康に与える好影響が実証されています。一日一笑 医者いらずという古い格言もあります。
笑顔は免疫効果を高めて病気になりにくくし、ストレス解消、軽い運動の効果もあると医学からもいわれます。さらに、ダイエットにもつながるそうです。
また、最初は作り笑いでも、笑っているうちに本当に気持ちも和らぎ、気分も上向きになってくると心理学ではいわれます。
笑顔でいると、周りへの印象は、とてもよいものになります。
あなたの魅力が二倍にも三倍にも増え、周りからも山彦のように笑顔が返ってきます。人間関係も、とてもスムーズになります。
「周りに合わせて笑顔を作ろう」なんて後ろ向きに考える必要はありません。自分のストレス解消、健康や美容へプラスになると考えれば、自然と笑顔を心掛けることができます。その結果として、自分も周りの人たちも癒やされて、元気になれるのです。
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