天人五衰│楽しい時は続かずやがて衰える

この記事はこんな人にオススメ
  • 楽しい世界へ行きたいという方
  • 成功したいという方
  • 死後の世界を知りたいという方

岡本一志

今回の記事を読めば、迷いの世界ついて知ることができます。

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執筆者:岡本一志

一般社団法人全国仏教カウンセリング協会代表
仏教の教えにもとづいたアドバイスをしている
著作に「心がほっとする仏さまの50の話」三笠書房
「心がすっと晴れる仏さまの伝えたかったこと」
など計5冊、累計35万部突破のベストセラー

 

YouTubeではもっと詳しく話していますので、ご覧ください。

天上界は本当に楽しい世界?

仏教の教えで、天上界という世界について説かれています。

天上界は、華やかで美しく、そして楽しい世界です。

また、天上界に住む人を、天人あるいは天上人と言われます。

しかし、そんな楽しい世界であっても、

この天上界は迷いの世界の1つでもあるのです。

 

輪廻転生(りんねてんしょう)

この記事を読んでくださっている読者の皆さまは、人は死んだらどうなると思いますか?

仏教の生命観は、生まれ変わり死に変わりを繰り返すと言われています。

これを輪廻転生(りんねてんしょう)と言います

我々の輪廻転生は、迷いの世界から迷いの世界へ、苦しみの世界から苦しみの世界へ、生まれ変わります。

苦から苦へ、迷いの世界の綱渡りをしているのです。

それは、一体なぜなのでしょうか?

なぜわざわざ、また苦しむ為に苦しみの世界へ生まれ変わらねばならないのでしょう?

その答えは、我々の心の本心が迷っているからだと言われています。

 

阿頼耶識(あらやしき)の生み出す世界

仏教では、あらゆる現象を引き起こす根本の心を阿頼耶識(あらやしき)と言います。

根本の心である阿頼耶識があらゆる世界を生み出す、という仏教心理学(唯識)に基づいています。

我々が今生きているのは、阿頼耶識の生み出した世界の中で夢を見ているようなものであると考えてください。

この阿頼耶識が生み出した世界というのは、6つの世界があります。

地獄界、餓鬼界、畜生界、修羅界、人間界、そして天上界の6つです。

我々は、1つの世界で夢を見て、夢から醒めたら、また次の世界の夢を見る。

迷いの夢を見続けて、生まれ変わりながら、6つの世界を渡り歩く。

それを六道輪廻(ろくどうりんね)と言います。

 

六つの迷いの世界

その中の1つ、天上界は楽しい夢の世界です。

そしてそんな楽しい世界であっても、天上界もまた六道(迷いの世界)の1つなのですね。

ちなみに、この6つの世界の中で、最も苦しい世界は、地獄界です。

苦しい順番で紹介すると、

地獄界、餓鬼界、畜生界、修羅界、人間界、天上界です。

苦しみの激しい地獄界、餓鬼界、畜生界の3つの世界を、

仏教では、三悪道(さんあくどう)や三悪趣(さんあくしゅ)と呼ばれます。

反対に、天上界、人間界、修羅界の3つの世界を、

仏教では、三善道(さんぜんどう)・三悪趣(さんあくしゅ)と呼びます。

この中で天上界は、最も楽しみの多い世界です。

尚、人間界は楽しさも苦しさもある。苦楽ともにある世界です。

 

天上界は涅槃なのか?

最も楽しみの多いと言われる天上界ですが、この世界は仏教が求めている目的の世界とは異なります。

仏教の目的は、安らぎの境地である涅槃(ねはん)です。

天上界と涅槃は異なるのです。

涅槃という言葉は中国で訳された言葉であって、元々のサンスクリット語では「ニルバーナ」と言います。

サンスクリット語のニルバーナとは「吹き消す」という意味であり、

仏教では、苦しみの炎を吹き消された静かな心の境地、つまり安らぎの境地なのです。

この安らぎの境地である涅槃は、楽しみの多い天上界とは違うのです。

天上界は、仏教の目指すところではなく、迷いの只中であり本当の安らぎではないのですね。

 

天人五衰│どんなに栄華を極めてもいずれは衰える

ここまでを聞いて、いかがでしょう?

人間界は苦楽がともにあると先ほど述べましたが、きっと苦の方が多いと感じている方も多いと思います。

そんな中で、楽しいことばかりで、なんでも願いが叶うという天上界が、最も安らぎがあって、良いのではないか?という意見も聞こえてきそうです。

ですが、実はそこに本当の安らぎはありません。

そこは目的地ではなく、迷いの旅の途中なのです。

人は山の頂上に上ることはできるが、そこに留まることはできない

という格言がありますが、どんな人であっても、やがて衰えがやってきます。

そこで天人にも5つの衰えがあると言われます。

このことを、天人五衰(てんにんごすい)といいます。

・衣裳垢膩(えしょうこうじ):衣服が垢で油染みる

・頭上華萎(ずじょうかい):頭上の華が萎える

・身体臭穢(しんたいしゅうわい):身体が汚れて臭い出す

・腋下汗出(えきげかんしゅつ):腋の下から汗が流れ出る

・不楽本座(ふらくほんざ):自分のやってきたことをまたやるのを嫌がる

どんな栄光であっても、衰える苦しみは天上界であってもあるということです。

天界にも老いと病と死の苦しみがあるのですね。

この衰えていく苦しみは、地獄の苦悩の16倍とも言われています。

どんなに成功して脚光を浴びた人であっても、その成功を失ったり、華やかさを失っていく苦しみは、本当に辛く苦しいことだ、ということです。

 

不楽本座│人生の皮肉

天人五衰の中の不楽本座は、人生の皮肉を感じさせられる衰えの1つです。

不楽本座は、本来、自分の使命や本分だと思って取り組んでいたことが、上手くいけばいくほど楽しめなくなってしまうことを言います。

「大変な時ほど辛いけれども、一日一日が楽しく充実していた。しかし上手くいってしまうと、そこに喜びを見出せなくなってしまう。」

という本当に人一倍苦労された方の声を実際によく耳にします。皮肉なものです。

英国の劇作家で、ジョージ・バーナード・ショーという方がいらっしゃいました。

この方は、数々の名言や格言を残しています。

その1つを御紹介します。

[英文]

There are two tragedies in life. One is not to get your heart’s desire. The other is to get it.

[和訳]

人生には二つの悲劇がある。一つは願いがかなわぬこと、もう一つはその願いがかなうこと。

 

有頂天の罠

天上界の中でも、最高の天界が有頂天(うちょうてん)です。

最高の世界ではありますが、逆にそこまでいってしまうと、あとは衰えるだけです。

後で衰えるということを気付かずに、得意気に舞い上がってしまっていることを現在でも「有頂天になる」と言いますが、その語源はここから来ているのですね。

たくさんの人が天界を目的としてしまっています。

しかし、本当の安らぎはそこにありません。

仏教での真実は、諸行無常(しょぎょうむじょう)です。

苦しいことも続かないがいい時も続かないのです。

常に今は変わり続けているということを、明らかに見ていくことが大切です。

 

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