言葉でどれだけの悪を造っているだろうか

心の悪が口に現わると四悪となる

仏教では、心と口と体の行いの中でも、心が元なので、心の行いを一番重く見られます。
欲や、怒りや、愚痴の心が口にあらわれると綺語(きご)、両舌(りょうぜつ)、悪口(あっこう)、妄語(もうご)としかなりません。
これらを四悪(しあく)といいます。

自分の欲のために言葉をかざり相手をあざむく

綺語とは、綺麗な言葉で相手をあざむくということです。心にもないお世辞を言うことです。
「思ったままに言えば、相手に失礼ではないか、相手を気遣って褒めているのだ」と言うかもしれません。
しかし、本当に相手のためでしょうか。お上手、お世辞を言うときの心はどうでしょうか。
会社の上司や、お客さんには精一杯のお上手をいいますが、褒めても得にならない相手には、無愛想になるものです。儲けたい、気に入られたいと自分の利益や名誉のために心にもないことを言って、相手を都合のいいように動かそうとしています。

人の為とかいて 偽(いつわり)と読みます。「相手のため」と言いながら、実は自分のためであることさえも気がついていないことが多いのです。

自分の欲のために言葉をかざり相手をあざむく

両舌とは二枚舌ともいわれ、仲のよい人の間を裂いて、仲たがいさせるようなことを言うことです。自分の好きな人が他の人と仲良さそうにしていると嫉妬の心がでてきます。好きな人に対してその友達の悪いところを言ってしまいそうになる。ねたみソネミの愚痴の心がそうさせるのです。

また、利益追求の為にはライバル会社に偽情報を流して仲たがいさせ漁夫の利を得ようとすることもよくあることです。第二次世界大戦では、中東の国や東南アジアの国にそれぞれ正反対の約束や政策をヨーロッパ諸国がしたために今でも根深い民族憎悪のキッカケとなり内紛、対立が続いています。自国の利益を優先させ、他国のことなどお構いなしの我利我利の欲の心がそうさせたのでしょう。口や体の行いは心からでてきたものです。心の火の元から飛び散った火の粉なのですから、口や体の行いを通して心の姿をよくよく見つめて行きなさいと教えられています。
続けて、四悪にあげられる悪口、妄語について解説します。

 

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