- 舎利弗(舎利子)について知りたい方
今回の記事を読めば、舎利弗について知ることができます。
舎利弗について
出典:興福寺サイト「舎利弗像」
釈迦十大弟子の一人に舎利弗(しゃりほつ)という方がおられます。
舎利弗は「智慧第一(ちえだいいち)」と言われ、智慧が明らかというだけでなく、非常に行いもよかったこともあり、お釈迦様やお弟子さんからの信頼も厚い方でした。
さらに、同じ十大弟子の目連とも並び、釈迦二大弟子とまで言われ、般若心経の中にも登場しています。
そんな舎利弗は、一体どんな人だったのでしょうか?
今回は、そんな舎利弗について述べていきたいと思います。
舎利弗の生涯について
生没年不詳。紀元前5世紀ごろの人。釈迦(しゃか)の第一の弟子。サンスクリット語のシャーリプトラŚāriputra、パーリ語でサーリプッタSāriputtaの音写。玄奘(げんじょう)は舎利子と訳す。中インドのマガダ国のバラモンの家に生まれ、もとウパティッサUpatissaと称した。
引用:コトバンク
舎利弗は、マガタ国(現在のインド)で底沙と舎利の子として生まれます。
名前は優波低須(うぱていさ)と言います。
尚、舎利弗は、「舎利子(しゃりし)」とも呼ばれますが、これは「舎利の子供」という意味です。
優波低須は非常に賢く、幼少期よりバラモン教を学び、16歳の頃にはもう学ぶことがないほどでした。
また優波低須には親友がいました。その親友は、後に釈迦十大弟子の一人となる目連でした。優波低須と目連は、年齢や才覚、家柄、そして考え方が似ていたこともあり、生涯親友として親交を深めます。
舎利弗と目連は、仏教と出会う前、出家をしてサンジャヤという思想家の弟子となります。サンジャヤの思想とは、過去の業による苦しみを受けると、悟りが開けるという苦行主義の考え方でした。
舎利弗と目連は、サンジャヤの教えをたった一週間で会得してしまったことで、サンジャヤの弟子250人を束ねる教授となり、数年間を教団で過ごします。
ある日、舎利弗は町で一人の僧侶に出会います。その僧侶とは、お釈迦様の最初の5人の弟子の一人、アッサジでした。
アッサジによって、お釈迦様の教えをきいて舎利弗は驚愕します。
その出来事を目連に話した舎利弗。目連も感動し、2人でサンジャヤを後にし、お釈迦様の弟子になるのでした。
ちなみに、サンジャヤの教団で抱えていた250人に弟子たち全員も、舎利弗と目連を追って、お釈迦様の弟子になったのでした。
お釈迦様の弟子になった舎利弗は、みるみるお釈迦様の教えを吸収し、成長していきます。
それに伴い、祇園精舎建立の責任者や、お釈迦様の子供ラーフラ(羅睺羅)の指導係に任命されるなど、お釈迦様や、弟子たちからの信頼を得ていった舎利弗。
いつしかお釈迦様の十大弟子の一人、「智慧第一」の舎利弗と呼ばれるようになるのでした。
お釈迦様の弟子となり40年以上が経ち、舎利弗は病に倒れます。
死期を悟った舎利弗は、自身の生まれた地で、母に仏教を説いて死ぬことを望みました。
弟子1名を連れて帰郷する舎利弗。
生家に帰るや、吐血し、倒れてしまった舎利弗は、いよいよ死期が迫っていることを悟り、母に説法をしたのでした。
そしていよいよ、母が息子の語る説法に感銘を受けた事を見届けた後、舎利弗はこの世を去ったのでした。
様々なお経に登場する舎利弗
舎利弗は、般若心経、阿弥陀経、法華経など、様々な経典に登場します。
その中でも有名なのは、般若心経の中に「舎利子」という名前での登場です。
般若心経というのは、お釈迦様が弟子の舎利弗(舎利子)に、この世の全ては実体のない「空」であるという教えを説いています。
般若波羅蜜多心経(般若心経)
観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄
舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 受想行識亦復如是
舎利子 是諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増不減
上記は、般若心経の前半の一節です。
お釈迦様が「舎利子よ」と呼びかけ、観音様がたどり着いた真実を教え伝えています。
さいごに
舎利弗は七十数年の生涯だったと言われており、その生涯のほとんどを仏教の布教に捧げました。
また、お釈迦様が最も信頼を寄せていた人物が舎利弗と言われています。
数々のお経の中で、お釈迦様が「舎利弗(舎利子)」と呼びかける場面が見られますが、これは舎利弗個人を呼んでいるのではなく、大衆への呼びかけであり、お釈迦様の深い心を感じる言葉であるとも言われています。
それだけ舎利弗は、大衆からも信頼を得ている人物であったと言えるのでしょう。
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