シッダルタ太子の出家の決意はどのようなものだったか

無師独悟を決意されたシッダルタ太子

かくしてシッダルタ太子は、当時のインドでも有名だったさまざまな仙人のもとに行かれ、さとりの道を尋ね求められました。
ところが、どの師の教えも太子を満足させるものはありませんでした。

そこでついに太子は、一人で悟りを得ることを決意されたのです。

無師独悟(むしどくご)といいますが、当時の様々な仙人といわれる人たちの教えをたちまちのうちに理解してそれを超えていかれたシッダルタ太子は、いまだ誰も到達しえない本当の真理を体得するために、ニレゼン河の東岸の苦行林というところで私たちには想像もできない大変な苦行に打ち込まれたのです。

一方、太子の出城を知ったカピラ城内外の驚きと悲しみは大変なもので、父王はさっそく重臣を集めて、太子の行方を探させました。

5人の家臣が太子の探索のためにつかわされたのです。

太子の軌跡をたどりながら、見つけたと思っては、すでに立ち去られた後でした。

その繰り返しのなか、一樹の下で座禅をしておられる太子を発見した5人の家臣は、父王、ヤショダラ姫、そして王子の「太子に帰ってきてほしい」という切々たる伝言を伝えたのです。

4通りの出家の動機・太子の決意

「太子さま、世に出家の動機には4通りあると聞いています。
1つは長い病苦でもう生きていても楽しみがないとか、
2つは老人になって身の自由と希望を失ったとか、
3つは財物を失い生活に困窮しているとか、
4つは家族に死別して世をはかなむからだと聞いています。
しかし太子さまの場合は、この4つともあてはまりません。
年若く、健康で、財産、地位もあり、家族の人々にもべつに変わりはないのに、なぜ若き楽しみを捨てて一衣一鉢の姿になられ、遠きさとりを求められるのか、私たちにはいっこうに判りません。
どうしても太子さまの心持ちが判らないのです。浮世はなれた仙者でさえも人里恋しい気持ちを起こすのに……」

涙ながらに、太子に決心を変えて城に帰ることを求めたのですが、真実のさとりをひらくまでは断じて帰国しないという太子の決意は大地のごとく微動だにもしませんでした。

そして、その5人に対して太子は毅然とおっしゃいました。

「お前たちにはわからないのか、あの激しい無常の嵐がまだわからないのか。
ものはみな常住(じょうじゅう)しないのだ。いずれの日にか衰え、いずれの日にか亡(ほろ)ぶのだ。
快楽のかげにも無常の響きがこもっているのだ。美女の奏ずる絃歌(げんか)は欲をもって人を惑わすのみだ。
三界は悩みのみ。猛き火の如く、浮かべる雲の如く、幻や水泡の如し。
若きを愛すれど、やがて老いと病と死のために壊れ去るのだ」

太子の火の玉のような求道心と深い無常観に心うたれた5人の家臣は、ともに太子のそばで修行に打ち込むようになったのでした。

 

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