観音様(菩薩)とは?簡単に意味やご利益(教え・救い)仏様との違いを解説!

この記事はこんな人にオススメ
  • 観音様って何を教えられているのか知りたい人
  • 観音様って何者かを知りたい人
  • 観音様と仏様の違いを知りたい人

岡本一志

今回の記事を読めば、「観音様はどんな方なのか」「観音様はどのような救いがあるのか」をわかっていただけますよ。

観音様から仏教について学んでくださいね。

——–

執筆者:岡本一志

一般社団法人全国仏教カウンセリング協会代表。東京大学理学部数学科中退。BBT大学大学院でMBAを取得。仏教の教えにもとづいたアドバイスをしている。

観音様とは?

観音様の正式名称は、観自在菩薩、観世音菩薩、救世菩薩など様々あります。

観自在菩薩は般若心経を読んでいる人であれば慣れているかもしれません。

※「般若心経」についてこちらの記事で詳しく解説しています。
般若心経とは?全文の意味をどの本よりもわかりやすく解説!

親しみと敬意を込めて一般的には「観音様」と呼ばれているんですね。

観音様のお名前の由来や意味をみていきましょう。

観音様の名前の由来・意味

観音様の名前は、サンスクリット語では、アヴァローキテーシュヴァラ(avalokiteshvara)といいます。

玄奘三蔵の翻訳では、ava(遍く)+lokita(見る)+īśvara(自在な人)ということで、観自在菩薩とされました。

鳩摩羅什は「観世音菩薩」と訳しており、観世音菩薩を略して観音菩薩と呼ばれることも多いです。

音を観るとは?

観音の「音」の意味は、人々(衆生)の苦しみを意味しています。

「観」は聞くということです。

仏教では「見聞一致」と言われるように、見(観)ると聞くことが同じ意味の場合があります。

以上から、観音とは私たちの苦しみの声を聞いて救ってくださいるのです。

自在について

観音様は、観自在菩薩というお名前もあります。

観音菩薩は厳しい修行をするなかで、たとえば10のことを自在にコントロールできる力を身につけられました。

  1. 寿自在
  2. 心自在
  3. 財自在
  4. 業自
  5. 生自在
  6. 勝解自在
  7. 願自在
  8. 神力自在
  9. 智自在
  10. 法自在

このようなお力をもって、人々を救おうとされているのが観音様なのです。

施無畏者

また観音菩薩は、苦難からの恐れをなくし、安らぎを与えられるので、施無畏者と言われます。

無畏施は「無為すなわち安らぎを与えることです。」

六度万行(六波羅蜜)の1つである「布施」の内容です。

観世音菩薩は種々の苦難災厄に恐れおののいている人々に無畏を与えるから無畏施者と呼ばれている。

引用:水野弘元著「仏教の基礎知識」221頁

布施についてはこちらの記事をご覧ください。

一つだけ自分に合うものを一生懸命やればすべてがそろう

仏様(お釈迦様)と菩薩の違い

菩薩は、菩提薩埵の略で、ひろく言えば仏教を求めるすべての人のことです。

狭義では、仏の悟りを開こうと、修行をされている方を菩薩といいます。

つまり、お釈迦様のような仏の悟りを開かられたかたを「仏」といい、仏の悟りを開くために修行中の人を菩薩というのです。

菩薩については、こちらの記事をご覧ください。
菩薩とはどんな人たちのことなのですか

脇士

観音菩薩は、阿弥陀如来の脇士です。

脇士とは、真ん中の仏様(中尊)の両脇にたち、仏様の「智慧」と「慈悲」を表しているとされます。

阿弥陀如来三尊像などを見たことがある人も多いと思います。

観音菩薩は、「慈悲」を表し、阿弥陀仏の左脇侍として立っています。

お経にはこうあります。無量寿如来は阿弥陀仏のことです。

無量寿如来は、諸の相好を具し、光明熾盛なり。
仏の右辺に於いて、観世音自在菩薩あり。

(金剛恐怖集会方広儀軌観自在菩薩三世最勝心明王経)

性別

観音菩薩は、もともと男性として表現されていましたが、一般的には女性としてイメージされることが多いです。

「慈母観音」「悲母観音」などあり、女性をイメージした像や絵が多数存在ます。

ただもともと救いの相手に応じて、男性にも女性にも变化されるので、観音菩薩の性別はないというのが本当のところです。

普門示現

観音様は、人々を苦しみから救済するために相手の心(機根)に合わせて様々な形となって、幸福へと導かれます。

これを普門示現と言われます。

普門は、広く衆生(人々)に救いの門を開いていること。

示現は、様々な姿でこの様に現れること。

お寺によって様々な観音様がご安置されている理由が、ここにあります。

全部で33通りの姿になって現れるとされます。

33種類の姿

観音様は以下の33種類に姿を変えられます。

・仏・辟支仏・声聞・梵王・帝釈・自在天・大自在天・天大将軍・毘沙門・小王・長者・居士・宰官・婆羅門・比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷・長者婦女・居士婦女・宰官婦女・婆羅門婦女・童男・童女・天・竜・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩睺羅迦・執金剛。

観音経について

観音様について特に詳しく教えられているお経が「観音経」です。

これは法華経と呼ばれるお経の中の「観世音菩薩普門品第二十五」という章を指します。

観音経については詳しくはこちらをご覧ください。

⇒現在鋭意作成中です。

「お経」について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

お経とは一体何が書かれているのでしょうか

観音経を用いる宗派

観音経を用いる宗派は多く、特に天台宗、臨済宗、曹洞宗などのお葬式のときによく読まれます。

観音経は法華経の一部ですので、法華経を重要視し、かつ観音菩薩を篤く敬っている宗派がメインで用いていますね。

それから真言として「オン・アロリキヤ・ソワカ 」と唱えられます。

ご利益・教え

観音経に書かれている観音様のご利益や教えをまとめると以下のようになります。

観音様は、苦しみから救う働きをしてくださいます。

たとえば観音様を心で念じれば、火で焼け死ぬことがなくなったり、水死することがなくなったり、刃で切りつけられることや、手かせ足かせで縛られて動けなくなることや、悪人から襲われなくなると言われます。

いわゆる七難を避けられるというのです。

  1. 火難
  2. 水難
  3. 羅刹難
  4. 刀杖難
  5. 鬼難
  6. 枷鎖難
  7. 怨賊難

どうしたらこのような難をさけることができるのでしょうか?

観音様を一心に念じる

観音菩薩の救いにあうには、どしたらいいのかも観音経にかかれています。

心念不空過 能滅諸有苦
(心に念じて空しく過ごすことがなければ、あらゆる苦しみは消滅する)

「念じる」のはただ思い浮かべるだけではなく、「全く疑うことなく思い続ける」ことです。

ただ思い浮かべるだけでは足りないところが、観音経の難しさであることを知っておいてくださいね。

阿弥陀仏の登場

漢訳の観音経には阿弥陀仏のことは書かれていないのですが、実はサンスクリット語では阿弥陀仏が登場しています。

ローケーシュヴァラ=ラージャ(世自在王)を指導者とした僧の
ダルマーカラ(法蔵)は、世間から供養されて、幾百劫という多年のあいだ修行して、
汚れない最上の「さとり」に到達してアミターバ(無量光)如来となった。
アヴァローキテーシュヴァラはアミターバ仏の右側あるいは左側に立ち、
かの仏を扇ぎつつ、幻にひとしい一切の国土において、仏に香を供養した。
西方に、幸福の鉱脈である汚れないスカーヴァティー(極楽)世界がある。
そこに、いま、アミターバ仏は人間の御者として住む。
そして、そこには女性は生まれることなく、性交の慣習は全くない。
汚れのない仏の実子たちはそこに自然に生まれて、蓮華の胎内に坐る。
かのアミターバ仏は、汚れなく心地よい蓮華の胎内にて、
獅子座に腰をおろして、シャーラ王のように輝く。
彼はまたこの世の指導者として三界に匹敵する者はない。わたしはかの仏を讃歎して、
速かに福徳を積んで汝のように最も勝れた人間(仏)になりたい』と祈念する。
引用:岩波文庫『法華経(下)』坂本幸男、岩本裕、訳註 267ページ

観音経を一心に念じられない人に対して、阿弥陀仏への信仰を勧められたものでしょう。

まとめ:観音様から学ぶこと

今回は観音様をとおして、仏教の内容をお伝えしました。

観音菩薩は、慈悲を持って私たちの苦しみの声を聞き、一人ひとりに合わせて仏道へと導かれています。

仏教と出会ったあなたは、もしかしたら観音菩薩が姿を変えてすでに導かれているかもしれませんね。

まだまだお伝えしたいことはありますが、今回はここまでにしたいと思います。

メール講座のご案内

難しいお経の内容を噛み砕いて日本一わかりやすくブッダの教えをメールでお送りします。

メールですので、都合のいい時間にどんな場所でも少しづつ学ぶことができます。

さらに今ならレポートと無料音声ファイルを配布中ですのでお受け取りください。

音声ファイルは毎月先着100名様に限り配布となっております。(メール講座はいつでも停止できます。)

メール講座の内容はこちらで紹介しております。

登録は
こちらから

 

 

ブッダの教える幸せへの
思考法無料プレゼント

関連記事

  1. 菩薩とはどんな人たちのことなのですか

  2. 仏教の悟りとはどんなことなのでしょうか

  3. 故・高倉健さんの座右の銘「往く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし」

  4. 煩悩即菩提とは?意味をわかり易く解説

  5. 弥勒菩薩とはどんな人?教えやご利益についても解説